お好み焼き放浪記 Nagata Okonomi-yaki Wanderer's

第六回 「otto」の明石焼&オムソバ&お好み焼

otto

実にオシャレな外観お好み焼は長田のソウルフードである。こう言ってしまうと大げさだけど、非常に手軽で気軽な食べ物である。まさに「ファーストフード」。今スローフードが流行らしいが、長田には何となく似合わない。ガンガン攻めるのが似合っている。アスタくにづか1番館地下に居を構える「ファーストフードotto」はお好み焼や明石焼がメインであるが、うどんやカレー、アイスクリームなども充実している。長田らしさを微塵も感じさせない店内はそれほど広くないが、お客が途切れない。客の年齢層も多種多様。一人客でも実に入りやすい雰囲気だ。お持ち帰りのお客も多い。

本格的明石焼程なく『明石焼(スジタコミックス)』が登場。木目の美しい明石焼専用台に大ぶりのヤツが10ヶたたずんでいる。まずは透き通るほど上品なだし汁につける。大きくてアッツアツなので一口で食べきれない。箸で突き崩してパクッと一口。フワフワだ。だし汁と絶妙に絡みつく。タコのアクセントもウレシイ。間髪入れず二つ目に突入。おっ、今度はすじコンが入っている。まさに『ぼっかけ明石焼』だ。このスジタコミックスは、タコ入りとぼっかけ入りが5ヶづつとなっているので、2つの味が楽しめる。ラスト4つになったところでソースをかける。台がナナメになっているのでソースが垂れそうになる。慌ててパクリ。ソースのみの明石焼もオツなものだ。シメはソース&だし汁。和風だしと洋風ソースによる禁断のコラボレーション。これを楽しむために明石焼を注文するようなものだ。満足しきった後のだし汁。明石焼の崩れたモロモロ、こぼれたタコ、すじコンが混ざり見た目はよろしくないが、これを最後にすする楽しみはコタエラレナイ。

大ボリュームのオムソバ次は『オムソバ』だ。オムライスと見間違うほどのボリュームと造形美。マヨネーズがアート感覚を盛り上げる。玉子を突き崩しながらほお張る。甘みのあるソースヤキソバがノドを押し広げていく感覚が心地よい。マヨネーズをかけた玉子焼と絡めながら食べる。マイルドだ。唐辛子をピリッとかけて味に変化をつけるのも一興である。

お腹はすでにはちきれそうだが、メニューの『お好み焼(スジタコミックス)が気になるので頼んでしまう。マヨネーズを半分だけ塗ってもらい、味を比較する。出てきた逸品は長田風の薄焼きに、ぼっかけがビッシリ。タコも効いている。ピザ感覚に8等分に切り分けられているので実に食べやすい。ファーストフードの面目躍如だ。食べられるかなと思ったが、結局一気に平らげてしまう。

シメにコーヒーを味わう。カレー、焼肉などの食後はコーヒーを飲みたくなるが、お好み焼の食後にもピッタリだ。違いのわかるオトコにならねばならぬ。お好み焼、そば焼、明石焼の基本値段はたったの300円。トッピングで料金が変わる明朗会計。ごはん、味噌汁、漬物付の定食はわずか500円から。コーヒーなんて200円だ。ファーストフードと侮るなかれ、丁寧に調理される味は本格派だ。お好み焼=下町イメージ全開だが、敢えて「ファーストフード」としてこだわり、オシャレに展開している。

ottoのお店情報

※2009年までの情報になります。現在の営業状況につきましては各店舗へお問い合わせください。

「ファーストフードotto」はアスタくにづか1番館地階で10時から20時まで営業中、定休日は毎週水曜日、電話は611−8280です