お好み焼き放浪記 Nagata Okonomi-yaki Wanderer's

第十三回 「イカリ」の長田そば焼き・オムソバ・モダン焼き・すじ焼

イカリ
実は、そばめし大食い選手権2位の実力者。

そばめし大食い選手権で大活躍10月26日に開催されたそばめし大食い選手権で見事キングの部2位に輝き、嬉し恥ずかしモーヴィ賞をゲットした碇本拓三氏の営むお好み焼き店「イカリ」は、板宿駅のすぐ近くでソース好きにはたまらない魅力をふりまいている。
店内中央に君臨する巨大鉄板の前に座り、まずは生ビールを注文。さて、何から攻めようとメニューを観ると、真っ先に「長田ソバヤキ」が目に飛び込む。すかさず注文。極上のラードである豚の腹脂を鉄板にたっぷり塗り、こだわりのアルデンテ麺、千切りキャベツを投入し、手際よく調理。まずは薄味で、後からソースを足していくのは、長田のそば焼き作法である。たまらず口に運ぶ。キャベツのシャキシャキ感、ソースの酸味、豚脂の甘味が渾然一体。もう止まらない!

ふわふわトロトロのオムソバまだまだ食べたくて、「オムソバ」も注文。目の前でふわふわトロトロの半熟玉子にからめられていく。もし生まれ変わるなら、私はそば焼きになって玉子に包まれいと思うほどウマそうだ。ソースをたっぷり塗って、夢中でいただいた。

言葉を発せることができない美味しさだ。「そば焼きの可能性は無限大」と碇本氏。ちなみに喫茶店では焼きそばで、お好み焼き店はそば焼き(店主談)だそう。なるほど。

 

豚脂ウィッシュ

 

SAMURAIばりの潔さ。

まだまだ食べられる。ここらで何か一品料理をとメニューを見ると、どこにもない。お好み焼き、そば焼き、うどん焼きのみで勝負する、究極のこだわりの店だった。実は2年前までは鉄板焼きの店だったが、徹底的に保守本流の長田お好み焼きにこだわり、また鉄板を挟んだお客様とのコミュニケーション強化のため、一品料理なしというサムライばりの潔さに。不器用な生き方といえるが、客さばきとテコさばきは実に器用である。
では、直球勝負の逸品をいただきましょう。続いて、長田といえば「モダン焼」。すごいボリュームだけど、フワフワと重くなく、いくらでも食べられる。テコの通りもよい。そばシリーズも3品目だが、飽きない。生ビールも止まらない。そして、そば焼、モダン焼と並ぶ3大人気メニュー「すじ焼」に挑む。

純神戸牛のすじ焼純神戸牛のすじ肉をふんだんに使った旨みは他の追従を許さない。ばらソースとの相性もぴったり。ここで、あるようでなかった新しい食べ方を伝授される。なんと、コショウを振りかけるのである。長田っ子の血液ともいえるどろソースの主成分は、コショウ。一味唐辛子よりも家庭で長田の味を楽しめそう。脂かすのコリコリも絶妙のアクセントだ。

お腹一杯だけど、どうしても食べたいメニューがある。この季節しか味わえない「牡蠣」。これをうどん焼に。牡蠣のためならば1週間腹を下しても本望というマニアにとって、これを頼まないわけにはいかぬ。もちろん、牡蠣ダブルだ。プリップリの牡蠣むき身が口の中ではじけ、磯の香りに包まれる。すかさずチューハイに切り替える。たこ、エビだけ焼いてもらい試食する。海の具は本当にウマい。それもそのはず、碇本氏は元漁師。目も舌も腕もぶっちぎりだ。

板宿関係ねぇ。アウェーであえて長田流。

活気溢れるアットホームさ大満足の大満腹。店内は活気にあふれながらもアットホーム。店主とお客様との掛け合いも楽しい。レトロだけど、新しい。もちろんラムネ、アップルも常備。ソースは「イカリ」ではなく、「ばら」。神戸長田焼の伝統を守り続けていく力強い決意の碇本氏は、30歳。少なくともこれから50年は、長田の味は滅びない。新長田のお好み焼き店を巡礼する放浪記だが、今回はアウェーの板宿であえてコテコテの長田焼で勝負する男気に打たれての取材。お客様がひっきりなしに吸い寄せられる人気店だ。ちなみに、いつも「コテ」と呼んでいるが、今回は「テコ」とした。「三宮より東がコテ、西はテコ」(店主談)だそうだ。なるほど。

イカリのお店情報

イカリのお店情報※2009年までの情報になります。現在の営業状況につきましては各店舗へお問い合わせください。

須磨区平田町1丁目1-17(板宿駅すぐ)
●営業時間 11:30〜14:30/17:00〜21:00
●定 休 日 木曜日
●電 話 078−731−0898